様々な技法を組み合わせて制作したものを、ミクストメディア作品と言います。
本作では、アクリル絵具、アルコールインク、コラージュ、モノタイプを使用しています。
モノタイプは一点刷りの版画で、私は通常の方法ではなく、独自のプロセスを採用しています。
何かでこぼこした、例えば木目のある板の上に絵具をヘラで塗ってみることを想像してみてください。
木目の、へこんだところには絵具が多く入り、高さのある部分は薄く付きますので、木目の柄の形に濃淡のある模様ができますね。
そのような原理で、実際には紙の上に白い絵具で凹凸を作り、乾いてから黒い絵具をスキージというヘラ状の道具で施しています。
こうしたプロセスで、画面の右上の方などに見える、不定形の形ができます。
イメージは、古典絵画からの女性の顔、アンティークショップで見つけた古い伝票の一部、幾何学図形、数学か物理学の公式の一部、皿に彫ってあった細かなレリーフの模様です。
顔など具象モチーフのコラージュには透明な膜(タトゥーシール)を使っているため、下の絵具の層が透けて見えています。
夜中に目が醒めた時に、具体的には何も覚えていないのに、何かたくさんのことが起こり色々なものを見たという、夢の名残のようなものを感じることはありませんか。
この作品は、そのような感覚を呼び起こそうとしています。
ご興味がある方は以下よりご購入頂けます。
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是蘭 「こぼれる」