描かれつつある絵は、まるで生き物のように振る舞います。 

実際、制作過程を映像で記録すれば、絵は文字通り動きまわる、即ち、変化し続けているでしょう。 
何かを変えたり、壊したり、加えたりしている制作者がそこに映っていなければなおのこと、自律的な生き物のようにしか見えないと思います。 

描き終えられた絵とは、言ってみれば剥製に近い存在、あるいは一種の「写真」と言うべきなのかもしれません。
運動が失われ、時が固定された表面となるからです。 
でもだからこそ、完成した後でも絵が動いているように見えてほしいと、多くの制作者は願っているのではないでしょうか。