是蘭 「Awakening 4」

知人が、子供の頃ルーブルで見たモナリザの目が、自分が動いてもずっと追ってきた、と言うのです。

 「目が追ってくる」という現象は、もしかしたら単純な生理的現象かもしれません。 
ただ、そうだとしても、私には大半の絵が生き生きと動いて見えないのが不思議です。 
なぜなら、絵を観るという行為において、私たち自身の視線や認識、感覚が一瞬たりとも止まっていないから。 

私は、絵は動いて見えるか、さもなくば動いていないことを忘れさせる力や仕組みが必要なのでは、と考えています。